牛久沼の話その3今回は、自然体験レジャーの課題と牛久沼とその周辺状況の話。
この資料は、ビジネスアワード用に作ったのもあって、ビジネスアワード的には、「どのような製品もサービスも、「誰か」もしくは「何か」の課題を解決するために存在します。」という視点で考えてます。
なので、観光と言う視点で課題を解決するってなんだ?観光って良いところをどう活かすかが観光じゃないのか??と考えていたので、かなり悩みましたが、課題を観光で解決するという視点で考えると、それはそれで、気づくところはあったかなと。
課題解決を観光から考えると、大きく分けて二つの課題が見えてきました。
1、「首都圏で手軽に自然体験をしたいと思ってる人」の課題を解決する(自然体験型レジャーのこれまでの主な課題)
2、「地域経済の負のスパイラル」を解決する。(地域の社会的課題)今回は1についての話。
【自然体験型レジャーのこれまでの主な課題】
1-1.「アクティビティまでの場所までが遠く、体験自体がハードなものが多い」これまでのアクティビティは、海や山奥の湖、渓流など、風光明媚で水も綺麗なリゾート地まで行くことが多く、移動も遠いうえに自然環境も厳しく「手軽にやってみる」にはハードルが高いといえる。
牛久沼は川の流れも穏やかで水深も浅いところが多く、安全・安心して体験しやすい環境にあるが、茨城県南エリアは、首都圏から近いにもかかわらず、認知度の低さから遠いというイメージが強い。
都内在住者に茨城県内エリアの観光地を紹介すると、「どこのホテルに宿泊?」と聞かれるなど、距離的に近いと認識されていないのが現状であり、東京から八王子というと遠いと感じる人は少ないが、東京から茨城というとすごく遠いと感じる人が多い。
電車では、東京駅から八王子駅までは1時間10分程度、牛久駅までは1時間と早いぐらいであり、八王子の高尾山に都心からの距離の近さから数多くの観光客が訪れている状況を考えると、牛久沼までの距離の近さと手軽な体験が可能なことを積極的にPRすることで観光地としてのポテンシャルがアップする。
さらに、移動距離が近いと交通費を抑えられることから、その分、体験や観光にお金を使うことができることから、地域経済の活性化を図ることも可能である。
1-2 「首都圏でのスポーツバイク利用急増による問題」近年のスポーツバイクブームの影響により、江戸川サイクリングロードや多摩川サイクリングロード、大井埠頭周回コースなどでは、歩行者と自転車が一緒に走る場所が多くあり、混雑により非常に危険な状況である。
実際に死亡事故なども起きており、安全に快適に走れるとは言い難い状況であり、都内ではキャパシティーオーバーの状態になっているが、牛久沼周辺はサイクリングに適した道が整備されていることから、これらの問題に対応することが可能である。
1-3.「ガイドの満足度が低い(ポタリング)」サイクリングやポタリングといった自転車ツーリズムで付加価値を高めるにはガイドの質が求められるが、サイクリングやポタリング中は縦一列になって走ることもあり、話をすることができない。また、観光名所の通過中に案内したい場合など、先頭で説明すると後方までは聞こえないことが多く、せっかくの観光名所なのに、説明が聞こえず内容が伝わらないことが起きる。
費用をいただいているツアーでありながら顧客満足度を下げてしまう要因になっており、観光戦略を考えるうえでガイドの養成は必要不可欠である。
1-4.「身近な自然体験の減少」茨城県内でもニュータウン開発などで豊かな自然を求めて他地域から移ってくる方も多いが、近所でもザリガニ釣りやカブトムシ捕りなど、身近な自然体験のやり方がわからない方が多い。
都市部では、そのような傾向は更に強く、エコツーリズムやグリーン・ツーリズム、近年ではアドベンチャーツーリズム等の言葉で呼ばれる自然体験に注目が集まっている。
これまでは、極端に日常から離れた非日常感を楽しむレジャーが多かったが、芋掘り等野菜の収穫体験など里山やいわゆる田舎と言われるような、本来人と自然が共存共栄する身近な場所での体験をしたいと思っても、農家が直接やっているものや、単発的なものが多く「体系的な観光プラン」として運営しているところは少ないことから、体系化することでニーズにこたえることができる。
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だいぶ、話が長いですが、上記は申請に使った文面そのまま。
1−1に関しては、観光地ごとのメリットデメリットの部分もあるので、課題というよりは牛久沼周辺のメリットの話かな。
自然体験の課題に関しても、一つ一つ見つめていけば、まだまだたくさん出てくると思います。その一つ一つがさらにクオリティを上げるヒントなのかなと思います。
次回は、2、「地域経済の負のスパイラル」を解決する。(地域の社会的課題)についてのお話。